ブラッシュアップライフ

「いい街なのに、なぜ外国人観光客が来ない?」——地方と中央の150年のズレ

参院選の時期に、福岡・大阪・新潟(佐渡島)など、仕事で巡って感じたこと。

参議院選挙の時期に、「どんなリーダーを選ぶべきか」を考えていた時に、仕事で福岡、大阪、神奈川、新潟(佐渡島)など各地を訪れる機会がありました。

それぞれの街を短期間で見て回る中で、外国人観光客が多い街とそうでない街の違いが、円安だからなど、ただの偶然ではないことに気づきました。

街の魅力だけではなく、「どう活かすか」「誰が動かすか」が大切で

中央集権”ってこういうことか、って初めて感じる様になりました。

街を回ってみて気づいたこと

仕事の関係で、最近いろんな都市を回る機会がありました。
福岡・大阪・神奈川・新潟(佐渡島)——どこも魅力いっぱいで注目されてもいいところばかり。
でも、不思議と外国人観光客の数には大きな差がありました。

大阪は外国人観光客でにぎわい、万博で街も活気づいています。
福岡は市長が中心になって、空港の民営化や、ビルの高さ制限をゆるめて高いビルを建てリッツ・カールトンを呼び込むなど、外国人富裕層の集客に力を入れ、人気の観光地、天神エリアは外国人観光客を沢山見かけます。


一方で佐渡島は、素晴らしい自然や佐渡金山等の歴史があっても空港が閉鎖されたままで、島に行くには新潟港からフェリーしか無いせいか、外国人観光客は見かけませんでした。
もし国際線の空港が開港したのなら、近隣のアジア諸国からも観光客がこの魅力的な島にたくさん来そうなのにな、と感じます。

佐渡島の、地元の方々が外国人観光客を呼び込みたいと思っているのかは分かりませんが、シャッター街になっている商店街もあったので、何某かで活性化したいと思ってそうな気がしました。

活気の違いはリーダーの戦略の差

この差は、「魅力があるかどうか」じゃなくて、**「リーダーがどんな戦略を描いているか」**だと感じました。
街の活気や人出は自然になんとなく起こるものじゃなくて、集客をして人を呼び込んでいる。

どんなに美味しいお料理も待ってるだけでは売れない様に、観光客の数も、政策とリーダーシップの結果なんですね。やっぱり、強いリーダーがいないと、万博を呼んだり、空港を民営化したり、リッツ・カールトンを呼び込むのは難しいと思います。

明治維新から続く中央集権の壁

街の活性化は、ひとりの努力や情熱だけではなかなかうまくいきません。どうして各街で差が出るのかな、と考えてた時に、
実は日本の制度そのものが、地方の自由や自律を制限しているのでは、と思いました。

明治維新(1868年)は、薩摩・長州・土佐・佐賀など地方の藩が幕府を倒した地方主導の革命でした。
でもその反動で、「地方がまた力を持てば分裂や内戦になるかも」という怖さから、強い中央集権が築かれました。

かつては、地方の知事は中央から派遣されていましたが、現在は知事は選挙で選ばれます。
とはいえ、地方の自治権はまだまだ制限が多く、予算や政策の自由度も限定的なままです。
この体制が150年以上続いています。

だから、努力が足りないのではなく、制度の仕組みが大きく関係している、と感じ、

これが【中央集権】って、、と初めて腑に落ちました。

今まで何度も【中央集権】って言葉は聞いてきたけれど、40代後半にして初めて「そうだったのか!」と実感しました。

地方にリーダーが育ちにくい?


長い歴史を経て、制度の仕組みで、リーダーが育ちにくい環境が続いてきただけかもしれません。

  • 地方には自由に動ける予算や裁量が少ない
  • よって、実権を持つには中央に行かないといけないから、優秀な人は東京や大阪など、大都会流れてしまう
  • その結果、地域での人材の循環がうまくいかない

こんな状況では、地方に革新的な強いリーダーが根付くのは難しいですよね。

それでも希望はある。制度とリーダー次第で変わる

とはいえ、希望はあります。

福岡のように、リーダーの工夫と戦略で地方を活性化させている例もちゃんとあります。
地方には魅力的な資源も人もあります。
それをどう活かすかは、「どんな制度で、どんなリーダーが動くか」にかかっている。

参院選の時期に、福岡の活気と佐渡の静けさを見て、そんなことを強く感じました。

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