大学生の頃、人生で初めて、ネイティブのアメリカ人の先生に英語を習う機会がありました。
最初の授業で、簡単なリスニングテストのようなものがあり、特に成績がつくものではなくて、いわば実力チェックの確認問題。
リスニングが終わって、答え合わせの時間。先生がこう言いました。「間違えたところに◯をつけてください」
え?教室中の学生が一斉に、“今の、聞き間違えた?”って顔を見合わせて、もう一回聞き直しました。でも先生は同じことを繰り返します。
「合ってるところじゃなくて、間違えたところに◯を」そして続けてこう言ったんです。「だって、間違えたところが“伸び代”でしょ?」
衝撃でした。
それまでの私は、「間違えること=悪いこと」「正解=正しいこと」という感覚が染みついていて、間違いはバツ✖なんだ、と思い込んでました。
正解が〇で、間違えた✖だと、間違は悪いこと、見るのも嫌になるし、何で✖なのか、振り返るのも嫌になって、さっさと効率よく正解するには?ってばかり考える。
語学って、ただ「効率よく覚えて正解を探す」ものばかりじゃなくて、「自分で考えて、自分の言葉で伝える」ことの連続なのに、どうすれば正解か?ばかり考えてしまう。
本当は、正しく話すことより、伝えようとする姿勢の方が大事な場面も多いのに。
間違えた数だけ、自分の中に“気づき”が増えていく。だからこそ、間違えたことに◯をつけるようなマインドって、語学学習だけじゃなく、いろんな学びにも通じる大切な姿勢だと思う。
“正解”を探すよりも、“間違えた自分”を大切にして、思考を深めることができたら、その先にある成長は、きっと大きいはず。間違いは〇、伸びしろ。