親の介護が必要になったとき、真っ先に思い浮かべたのは、
「歩行の補助」「食事の手伝い」「トイレの介助」といった、身体的なお世話のことでした。
実際、それももちろん大変です。
でも、実際に向き合っていちばん戸惑ったのは、
「介護という制度をどう使えばいいのか分からない」という現実でした。
介護は突然始まる。でも、準備はしていなかった
よく考えると、介護がいつ必要になるかなんて、誰にも分からないんですよね。
小学校に入る年齢は決まっているし、準備するタイミングも明確。
でも介護は、70代で必要になる人もいれば、90代でも元気な人もいる。
「まだ大丈夫そう」と思っていたら、ある日突然、現実がやってくる。
それまで介護のことなんて考えたことがなかった私は、そこから完全に“情報迷子”になりました。
「親が介護を必要としている」。そこからの迷子状態
「じゃあ、どこに相談すればいいの?」「どんな支援が受けられるの?」と調べてみると…
出てくるのは、「要介護認定」「介護保険制度」「ケアプラン」「地域包括支援センター」などなど、初めて聞く単語ばかりで、
とにかく全体像が見えづらい。
制度はあるのに、それを“何がスタートで、どうやって使えばいいか”が、すごく分かりにくい。
「お世話をしてくれる人」って、どう呼べばいいの?
実際に、「歩行の補助」「食事の手伝い」「トイレの介助」など、
身体的なお世話をしてくれる人を、どうやって頼めばいいのか?誰に連絡すればいつ来てくれるのか?
そんな基本的なことさえ分かりませんでした。
調べていくうちに、それは「訪問介護(ホームヘルプ)」というサービスで、
ヘルパーさんに来てもらう形だと知りました。
でも、それを頼むには「ケアプラン」を作ってもらう必要があって、
その前に「要介護認定」の申請が必要で――と、その申請はどうやってどこに??
「ケアマネって何する人?」から始まった
そんな中で登場するのが「ケアマネジャー(ケアマネ)」という存在。
最初は「結局この人、何をしてくれるの?」という感じだったのですが…
実はこの人が、介護サービスを受けるための“ナビゲーター”のような役割。
介護が必要な本人や家族の状況を聞きながら、
必要な支援を整理し、ケアプランを立て、事業所との調整までしてくれます。
「誰に頼ればいいか分からない」とき、一緒に整理してくれる存在――
それがケアマネなのか・・。
制度はある。でも「使える」ようになるまでが遠い
「介護保険があるからなんとかなるでしょ」
そんなふうに軽く考えていた自分が、恥ずかしいです。
情報を集めて、制度を理解して、申請して、手続きをして、ようやく支援が受けられる。
しかも、その手続きの途中で何度も「これで合ってる?」と不安になる。
制度の存在と、それを“使える”ようになるまでの距離が、思った以上に長く、その間にも、身体的なお世話をしなくてはならない。
まだまだ分からないことも多いですが、
私も手探りながら、少しずつ前に進んでいます。
「制度と情報の世界」
介護って、ただのお世話ではなく、
「制度と情報の世界」でもあるんだと痛感しました。
そしてつくづく思います。
介護こそ、“情強(情報に強い人)”が必要な制度。
知っているかどうかで、受けられる金銭面の支援、物理的なサポートの質も、安心感も、本当に変わってくると感じています。