ショッピングモールや百貨店に行くと、
広い空間いっぱいに、色とりどりのモノが並んでいる。
でも、あれだけの量のモノが、全部売れるとは思えない。
売れ残った分は、いずれゴミになってしまうのだろうか――
そんなことをふと考えた。
これまで私は、ブックオフやメルカリ、セカンドストリートは、
「中古品を安く買うための場所」だと思っていた。
でも、よく考えてみると、
あれは“捨てたくない人”のためのサービスでもある、と思うようになった。
読まなくなった本、使わなくなったモノ、着なくなった洋服。
壊れているわけじゃないけれど、今の自分には必要ない。
でも、ゴミに出すとなると、どこか心が痛む。
本もゲームもCDもDVDも、家具も家電もおもちゃも服も、
壊れるまで使い切るのは案外むずかしい。
でも家に置いておくスペースもない。
そんな人の気持ちに、そっと寄り添ってくれるのが、
ブックオフやメルカリ、セカンドストリートのような存在なんだと思う。
同じ中古買取専門店でも、KOMEHYOはブランド品に特化している。
新品と変わらないような品質のモノを、中古価格で買える――
それは「いいモノをお得に買う」ためのサービスで、
ブックオフやセカンドストリートの「捨てたくない人の受け皿」とは、
少しコンセプトが違う気がする。
リサイクルという言葉で片づけてしまうには、ちょっともったいない。
「捨てたくない」という気持ちを社会の中で循環させる――
そんなインフラが、すでに私たちの身近にあるのだと気づいた。
私も、モノはできるだけ少なく、今の自分に必要な分だけを持ちたい。
ブックオフ、メルカリ、セカンドストリート。
あれはきっと、単なる中古市場だけではなく、
「手放したいけれど、捨てたくない」という気持ちをつなぐ場所なんだと思う。