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他者と働く「わかりえなさ」から始める組織論 (著)宇田川元一

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

■面白すぎて一気読みしてしまった。(20代・男性・会社員) □編集者としてもドンピシャリで、勉強になった。他者と働くために大切なことが非常によくわかる(佐渡島庸平氏・コルク代表) ■難しい本に見えるけれど、内容がすっごくあったかい。超良書です。(20代・女性・自営業) □熱量が心地良く、明日もう一回読みたい。(30代・男性・会社員) …

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【課題に向き合う前に】

「どうやったらできるのか?」とよく聞かれますが、簡単な答えはありません。なぜなら、すぐに解決できるような、都合の良い問題は既に解決され、残っているのは複雑で困難な課題だからです。

すごい技術、すごい誰か、は、なかなかやってきません。

【技術的課題と適応課題】

問題は大きく「技術的課題」と「適応課題」に分かれます。前者は、例えばのどが渇いたら水を飲む、データ共有が必要ならクラウドを使う、といったように技術で解決できるものです。

一方、適応課題はそうはいきません。クラウドを導入しようとしても、合理的な説明が通じない場合があります。それは、相手がデータ共有によって自分の立場が弱くなると感じるなど、組織的な合理性より、感情や不安が絡む場合もあるからです。

【適応課題に立ち向かう】

現代は技術が進み、その情報が開示され、ほとんどの技術的課題は解決可能です。私たちが直面するのは、むしろこの適応課題

これに対処するには「対話」が不可欠です。

【対話の本質】

対話は新しい関係性を築くこと。単に情報をやり取りするのではなく、

「わたしとそれ」と「わたしとあなた」の関係性の違い、を理解することです。

【二つの関係性】

「わたしとそれ」は道具的な関係。役割や立場に基づき、効率や合理性を重視します。例えば、レストランに行った時、店員さんに一定の機能や役割を求めることです。その役割が果たせない場合は、配置換えだったり解雇されたりします。

一方、「わたしとあなた」は、相手がかけがえのない存在であることを前提にした関係。相手の中に自分を見出し、自分の中に相手を見出すことです。

【対話の出発点】

対話は「わかりあえなさ」を認めることから始まります。組織の多くの問題は、人と人との関係性にこそ根ざしているのです。

ビジネスの現場は、雇用が流動化しているとはいえ、ともに取り換えの利かない「他者」と一緒に物事を成し遂げなければなりません。

道具的な関係「私とそれ」から脱却し、「私とあなた」の関係性へ移行していく。

少し面倒でナイーブな話に思えますが、この問題こそが我々が直面している「適応問題」の困難さなのです。

わかりあえてないことを前提に対話することが不可欠、と組織内での複雑な問題を、具体例をもとに丁寧に解説されており、腑に落ちます。

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