私の思想形成や行動に影響を与えた本・漫画、また、現在の価値観に合う、という視点で選びました。
(自己紹介のようなもの、好きな本と漫画合わせて10選です、順不同です)
マスターキートン 浦沢直樹(著)
まず、主人公が、日本人の父とイギリス人の母を持つ、平賀=キートン・太一は、保険のオプ(調査員)をしながら、世界を舞台に活躍しつつ、英国の軍隊にも所属経験があり、護身術やサバイバル術にも優れている。一方、人生で本当にやりたい事は、考古学で、ドナウ川周辺に文明があったのでは?と、研究を続けている、という設定がかっこ良すぎます。
ギリシャ、イタリア、イギリス、オーストリア、メキシコ、シルクロード、などなど、世界のあらゆる都市が舞台に物語が展開し、ハッピーエンドだけではない現実とフィクションが絶妙に混在し正義の味方として、キートンが活躍する。私も世界へ出かけたくなる壮大な漫画です。
ちはやふる 末次 由紀(著)
高校生の綾瀬千早が、競技かるたで日本で一番、クイーンになることを目指す漫画です。アニメから観まして、ハマり、全巻大人買いしました。ちょうど香港を訪れた時で、香港は、中華民族、英国、日本、ロシア、朝鮮、あらゆる国々に翻弄されて、言語も英語や広東語、北京語と分かれてしまっている。日本語は島国だったこともあり、1000年前の人々が詠んだ短歌に、現代の我々も意味が分かって共感できる、という事に日本語の特徴を感じ、とても好きになりました。
ギャラリーフェイク 細野不二彦(著)
主人公・藤田玲司は、元ニューヨーク・メトロポリタン美術館のキュレーターで、今は東京の場末で「ギャラリーフェイク」という画廊を営む男。
ビジネス、詐欺、美術商、裏社会、修復、法と金……表と裏、真贋、美と欲が交錯する世界で、
物語を通して「本物とは何か?」という問いを突きつけてきます。
フェルメール、ピカソ、葛飾北斎から無名の職人まで、様々なアートとその背景が登場し、
「なぜ人はアートに価値を見出すのか?」を考えたくなります。
嫌われる勇気 岸見一郎・古賀史健 著
この本で、「課題の分離」を知り、他人がどう思うか、を意識し過ぎで何も言えてない、発信できていない自分に気がつきました。
誰かにどう思われるかではなく、「自分がどう生きるか」に軸足を戻すことを教えてくれ、
読んでいくうちに、「嫌われること=自由であること」という逆説的な気づきが、自分の人生を「他人の期待」から解放してくれるキッカケになりました。
世界を歩いて考えよう!ちきりん(著)
ただの「旅の感想」だけではなく、「国の制度」「格差」「教育」「労働」「移民」「安全保障」などについて、構造的に考察し、分かりやすい言葉で書かれている事で、世界出来事や歴史とても身近なものなんだな、と実感でき、
「社会を自分がどう見るか」=「世界を自分がどう捉えるか」、を自分の言葉で言語化したくなる、また、
「日本では当たり前」が「世界では異常」かもしれない、という視点が増えた本です。
キッチン 吉本ばなな(著)
『キッチン』は、家族を失った主人公・みかげが、別の家族との出会いを経て、自分を再び取り戻していく物語です。
これは30年くらい前に出会った本です。死や喪失が大きなテーマでありながら、それを重苦しくではなく、柔らかいタッチで、静かに、でも力強く描いている点が、心に深く残りました。
「人生は本当にいっぺん絶望しないと、本当に捨てらんないのは自分のどこなのかを分かんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに、大きくなっちゃうと思うの」
英語版も読みました。
人はどう死ぬのか 久坂部 羊(著)
☆こちらの本は、オーディブル無料対象作品のため、30日間無料で試せます。
「死」について正しい情報を知らない=「情弱」=苦しい死に方になるかもしれない・・・
「死」について知ることで、死への心構えができ、いまをよりよく生きられる。この本が語っているのは単なる「死に方」ではなく、
「どう死ぬか」を考えることが、「どう生きるか」、「自分にとって幸せな最期とは何か」につながる
という、根源的で人間的なテーマ。
医療への過信や、「治ること」だけをゴールにする医療観への疑問、今は体の問題は無いが、今後加齢につれて、病院とどうかかわっていくか考えさせられます。
お~い!竜馬 武田鉄也(著)
中岡慎太郎、武市半平太、勝海舟、そして以蔵…。史実に基づきながらも、人間ドラマとして深く描かれる友情と葛藤、別れの数々が、武士としての生き方、死に方、心を揺さぶりました。
教科書で「竜馬」が「何をした人なのか?」いまいちピンとこなかったけれど、日本が欧米列強の植民地にならず、日本が一丸となって、明治の時代がやってきたのは、竜馬のおかげなのでは?と、東京駅丸の内にある三菱一号館を見て思いました。
よつばと あずまきよひこ(著)
物語の主役は、元気いっぱいでちょっと不思議な女の子「よつば」。よつばの突飛な言動や、天然っぷりには、何度も笑わされ、声を出して笑いたくなるので電車の中では読めません。
「うどん」「電車」「駅の改札」当たり前のものが、よつばの目にはまるで未知の冒険のように映る。
「世界は見つけられるのを待っている」
すべては「好き嫌い」から始まる 楠木建(著)
著者の楠木建さん(ビジネススクール教授)は、「経営戦略」や「競争優位」といったテーマのプロ。
まず、「好き」を抽象化してみる、というくだりがあり、著者は好きなシュークリームの記載がありました。
私は、「テニスが好き、を抽象化」してみたら、自分は、「夢中になれる、継続力、思考と行動力、伝え合える、心の通い合い」を判断軸にしている、と分かりました。
こういった自分の価値基準は、ほかの自分の「好き」にもあてはまるかもしれず、この基準を満たせるような事を仕事にしていこう、(今までは、いくら稼げるか、を最優先にしていたけれども)と思わせてくれた本です。