親に生前整理の話を切り出すのって、
正直むずかしいですよね。
「縁起でもない」
「まだ元気なんだからいいでしょ」
そんなふうに反発されてしまうことも多いです。
でも、無理に“生前整理”と伝えなくても、自然に始められる方法があります。
それが——「実家のリフォーム」をきっかけにすること。
① 長く暮らしてきた家だからこそ、見直しが必要なタイミング
家を建ててから数十年。
水回りの老朽化や、使っていない部屋の多さ、
家電や家具の劣化もそろそろ気になる頃。
➤ 「修理やリフォームの必要が出てきたから」が、
断捨離やモノの見直しをする自然な口実になります。
② バリアフリーや介護への備えとしても◎
今は元気でも、これから年齢とともに身体は変わっていきます。
段差や階段、トイレ・お風呂などの動線を見直すことは、
親の安心と家族の未来への備えにもつながります。
リフォームという名の“未来の生活設計”です。
③ リフォーム=空間を一度“まっさらに”できるチャンス
工事に入る前には家具を動かす必要があり、
古い棚や家電、長年使っていない雑貨類なども自然と見直す流れに。
- 「これ、もう使ってないね」
- 「この機会に買い替える?」
- 「せっかくだし、すっきりさせたいね」
➤ 断捨離やモノの整理も、目的が“前向きなリフォーム”だと進みやすい。
④ 間取りの見直しで、暮らしやすい「今の家」にアップデート
子どもたちが独立した後、
もう必要のない子供部屋や、使っていないスペースもあるはず。
- 趣味の部屋にする
- 収納を増やす
- バリアフリーにする(自治体によっては補助金あります)
➤ 家全体が、これからの親の暮らしにフィットする“新しいカタチ”に生まれ変わります
⑤ 片づけの中で、コミュニケーションが生れる
不要なものを整理していく中で、
古いアルバムや手紙、旅行の記念品、子どもたちが描いた絵など、
思いがけず家族の思い出と再会することがあります。
そのとき、「こんなことあったね」「懐かしいね」と、
忘れていた記憶が家族の会話を生み、コミュニケーションの時間になり、
また、親がどんな価値観で生きてきたかを、改めて知る機会にもなります。
➤ 亡くなってからでは、認知症になってからでは、聞けない話や想いに、今なら触れられ、元気なうちに共有できる。
実家リフォーム。
それは、「暮らしの整理」と「心の整理」が同時にできる、やさしい始まり。
「もっと住みやすくするために」という前向きな理由なら、無理に「終活」や「片づけ」と言わなくても、親も納得しやすく、家族全員で未来の暮らしを考える時間になります。
その過程には確かに、豊かな対話・コミュニケーションと、あたたかな思い出の再発見があるのです。
そう考えると、やはり“生前整理”としてこのタイミングで取り組むことは、
とても意味のあることかもしれません。
“生前整理”としてのリフォームは、「暮らしの整理」と「心の整理」が同時にできる。
自然にモノと向き合い、未来の準備もできる時間になります。実家リフォーム。
それは、家族のこれからを一緒に考える“やさしい始まり”になるかもしれません。