この『Magic Tree House』シリーズはもともと子ども向けに書かれた本ですが、大人にとっても意外な発見があります。『#29 Christmas in Camelot』では、アーサー王伝説やケルト文化、騎士道や魔法といった英語圏の物語世界が自然に織り込まれています。
伝説のヒーローたち
- 英語圏では、アーサー王(King Arthur)やランスロット(Sir Lancelot)のように、正義や勇気を象徴する騎士たちの物語が親しまれています。
- 日本では、桃太郎や金太郎のように、力強さや勇敢さを持つ子どもたちがヒーローとして描かれます。
→ どちらも「悪を倒す」「国や村を守る」というストーリーですが、英語圏のヒーローは「円卓の騎士」として仲間とともに使命を果たすイメージが強く、日本のヒーローは単独で冒険することが多いです。
魔法・超自然的な力
- 英語圏では、マーリン(Merlin)の魔法や**魔女の大釜(cauldron)**など、魔法や異界(otherworld)が大きな役割を持ちます。
- 日本でも、浦島太郎が竜宮城に行ったり、一寸法師が魔法の打ち出の小槌を使ったり、異世界への旅や不思議な力が登場します。
→ ただし、英語圏では「魔法=知識や賢者の力」として描かれることが多く、日本では「神様」「運命」など、より自然に近い超越的存在が関わる傾向があります。
世界観の比較
- キャメロット(Camelot、アーサー王の王国・城の名前。理想の統治と騎士道の象徴。伝説の舞台)は「理想の国」「平和で正義が守られる場所」として描かれます。
- 日本でも、浦島太郎の竜宮城は「楽園」的な場所ですが、最終的には「時間が過ぎ去ってしまう」「戻れない」という無常観がテーマになります。
→ 英語圏では「理想を目指し続ける希望」が描かれ、日本では「栄枯盛衰」という儚さが強調されることが多いです。
私たち日本人にとっては、「浦島太郎」や「桃太郎」のようにどこか懐かしく、文化的な象徴として語り継がれている物語と似たような存在かもしれません。でも、それらは英語圏の人々の心の奥底にある“共通の物語”であり、そこに触れることで、単なる英語学習以上のものが見えてきます!