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英語多読おススメ A Taste of Japan Kay Hetherly (著)


この本は、アメリカ出身の著者が日本に通算17年間住みながら感じた文化や習慣の違いを、やさしい英語で綴ったエッセイ集です。
著者が日常生活の中で気づいたことや、ふとした瞬間に思ったことを通して、日本とアメリカの文化的な違いについて描かれています。主に日本について書かれているので、とても読みやすいですし、日本語訳もついています。

A Taste of Japan―CROSS-CULTURAL OBSERVATIONS OF AMERICA A

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「Sorry」の使い方の違い

アメリカでは、「謝る」という行為が気分や個人の判断に任されることが多いです。
一方、日本では、例えば「遅刻したらすみませんと言う」といった、場面ごとの謝るタイミングやルールがしっかりとあります。
これは、みんなが和を大切にしているから。こうした暗黙のルールが、日常的に自然に守られているのです。(電車の中は、ぶつかってもあまり謝ることが無い、笑、ということにも触れられています)

名前の呼び方の違い

アメリカでは、初対面でもすぐにファーストネームで呼び合うことが一般的です。
逆に、Mr., Mrs., Ms.などを使うのは、年上の人や立場が高い人に対してだけ。

でも日本では、「さん」付けがとてもニュートラルで、年齢や性別、立場を問わず使える便利な呼び方です。
著者も、この「さん」という文化がとても気に入っていますが、英語には同じような表現がないと感じています。

そのため、日本で日本人のグループにいると、相手をどう呼ぶべきか迷うことがあるといいます。
例えば、「Call me Kaz」と言われた時、周りの人はその男性を「田中さん」と呼んでいるのに、自分だけ「Kaz」と呼ぶのはちょっと不自然に感じてしまった、というエピソードです。

「ハーフ」という言葉について

日本では、「ハーフ」という言葉に特にマイナスの意味はなく、単に異なる文化を持つ人というポジティブなニュアンスで使われます。
でもアメリカでは、「Half」という言葉には**「半分」「不完全」といったネガティブな意味**が込められているため、あまり使われません。
代わりに、「Double」という表現が、二つの文化を持つことを肯定的に表現できるのでは、と著者は考えています。

この考え方について、著者はエイミー・タンの小説にも触れています。
エイミー・タンは、中国系アメリカ人として育ち、両親から中国文化の素晴らしさを教わりながらも、自分のアイデンティティに葛藤する様子を描いています。
また、デイヴィッド・ムラのように、日本人として差別を受ける為、日本にルーツがあることを隠してアメリカ人として育てられる中での自己認識の葛藤を通じて、異なるバックグラウンドを持つことの価値を見出していく過程に触れています。

このように、「自分はどこに属しているのか?」という迷いは、自分をもっと強くしてくれる重要なプロセスだというメッセージが込められています。

国歌について

日本では「君が代」が国歌であり、日本語以外で歌われることはほとんどないです。
また、日本人全員が君が代を歌うべきかどうかについて、時には議論になることもあります。

アメリカでは2006年に、ラテン系のシンガーがアメリカの国歌「The Star-Spangled Banner」をスペイン語で歌いました。
これは、スペイン語を話す移民たちが、英語がまだ完璧でない中で、アメリカという国に対する誇りや愛情を表現したいという気持ちから生まれたものですが、英語で歌うべきだ、という議論がアメリカでも起きました。

アメリカ人の多くは英語中心の社会で生きており、英語を話せることが当たり前となっていますが、著者は「もしもっと多くのアメリカ人が外国語を学べば、アメリカはもっと豊かで素晴らしい国になるだろう」と、著者は感じています。

まとめ

『A Taste of Japan』は、英語学習する過程などで、誰しもが一度は考えたことがあるテーマを通して、文化の違いを優しい英語で表現しています。


「Sorry」や名前の呼び方、「ハーフ」や国歌の違い—これらの話題を、英語でどう表現するのか、という視点が得られる本です。


日本での日常的な内容でも、英語の表現がこんな風に使われるのか、と感じさせられる瞬間がたくさんあり、英語多読スタートにおススメです。

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