英語で読む「日本」は、新しい発見の宝庫
英語多読に大人気のシリーズMagic Tree House の37巻は『 Dragon of the Red Dawn』は、17世紀の日本(江戸)を旅する物語です。(本の表紙の挿絵が日本ぽくないのですが、笑)
そのため、
- 当時の日本の風景や文化
- 侍、忍者、俳句、将軍といった要素
- **「平和」「自然との調和」「内面の静けさ」**といった精神性
が、シンプルでやさしい英語で描かれています。
普段日本語では何気なく見過ごしているようなものも、英語で読むと「そういうふうに言うんだ」「そんなふうに見えるんだ」と、全く新しい切り口で理解できるのが魅力です。
たとえば、こんな面白さがある:
- **俳句(haiku)**の美しさが、英語でどう説明されているか?
→ 「A poem with just a few words that captures the feeling of a moment.」
→ → 直訳すると、ある瞬間の感情を、ほんの少しの言葉で表現した詩
- **将軍(shogun)**はどう表現されている?
→ 「The powerful military leader of Japan, who ruled in the name of the emperor.」
→ → 直訳すると、天皇の名のもとに統治していた日本の強力な軍事指導者
- 日本庭園や静けさの美をどう表現しているか?
→ 英語での形容詞や描写(e.g. tranquil, peaceful, stillness)を通して、日本独自の美意識に触れられる。
「俳句」から感じる、日本文化と心の静けさ
松尾芭蕉(Matsuo Basho)が登場し、**俳句(haiku)**の美しさや、自然と向き合う心をJackとAnnieにやさしく伝えてくれます。
その中でもとくに印象的なのが、
“An old pond.
A frog jumps in—
The sound of water.”
これは、芭蕉の俳句
「古池や 蛙飛びこむ 水の音」
の英訳です。
物語の中で、芭蕉はただ俳句を読んでいるだけではありません。
彼は、俳句は自然の中のほんの一瞬を、心で感じるものなんだよと、JackとAnnieにやさしく語りかけます。
- 静かな池に、ポチャンと蛙が飛び込む音、その小さな瞬間にも気が付けることが大切。
- 詩をつくることは集中力を高めてくれ、本当に強いサムライは、戦場で戦う最中にも詩がつくれるん位なんだ。
「言葉にしにくい自然の情景を、短い言葉で作られた詩で感じる」という、俳句の奥深さが、シンプルな英語でわかりやすく伝えられています。
俳句と自然を通じて、”幸せ”を英語で考える体験
物語のクライマックス近くで、Annieはこんなことを言います:
It’s like waht Basho said about finding beauty in small things of nature, said Annie. Like his poem about that frog splashing in the water. I think that’s it. A secret happiness is paying really close attention to the small things in nature.
「それは、芭蕉が言っていた“自然の小さなものの中に美しさを見つける”っていうことと同じだと思う。「あの、蛙が水に飛びこむ詩みたいにね。」「きっと、そこに答えがあるんだと思う。」
「幸せの秘密って、自然の小さなことにしっかり目を向けることなんじゃないかな。」
子供たちJackとAnnieが旅を通して、未知の世界に飛び込んで得た経験から、自ら気が付いて、幸せとは何かという哲学的な学びを得るプロセスが物語として、シンプルな英語で描かれており、子供向けに書かれているものの、日々忙しく過ぎている大人も考えさせられます。
――それが『Dragon of the Red Dawn』の本当の魅力のひとつだと思います。