英語多読におススメ、冒険シリーズ『Magic Tree House』の第38巻、“Monday with a Mad Genius” は、ジャックとアニーが天才レオナルド・ダ・ヴィンチに出会う物語。
この巻の魅力は、冒険や歴史もそうなのですが、
「幸せとは何か?」という問いへのヒントが詰まっているところです。
有名になれば幸せ?
物語の中盤、ジャックはこんな風に問いかけます。
“Fame isn’t the secret of happiness?,” said Jack.
“Absolutely not,” said Leonardo.
“I know that now, we must do what we do to satisfy our own hearts. For instance, I am working on a painting now. I love it. I do not care if others ever see it.
「名声が幸せの秘密じゃないの?」とジャックが言った。
「まったく違うよ、今なら、それがわかる。人は、自分の心を満たすために何かをすべきなんだ」と彼は続けた。
「たとえば、私は今ある絵を描いている。それが大好きなんだ。たとえ誰にも見られなくても、私は気にしないよ」
**「他人の評価じゃなく、自分の心を満たすことが幸せなんだ」**と気づくジャック。
レオナルドの静かだけど力強い言葉が、心に沁みます
では、どうやって「心を満たす」のか?
そんなJack と Annie の問いに、レオナルドはこう答えます。
“The secret of happiness is available to all of us, every hour of every day.
Young, old, rich, poor—everyone can choose to find happiness in this way.”
つまり、幸せは特別な人のものじゃない。いつでも、誰でも、どこにいても見つけられるというのです。
幸せの秘密とは——”Curiosity”(好奇心)
“Curiosity,” said Leonardo.
“Always ask questions. Always try to learn something new. Ask why? When? Where? What?
Through my curiosity, I forget my failures and sorrows, and I feel great happiness.”
この言葉、シンプルだけどとても深い。
好奇心こそが、失敗や悲しみを忘れさせ、心を豊かにする——これが、ダ・ヴィンチが自分の人生を通して掴んだ幸せの秘密なんですね。
この巻が伝えてくれること
- 幸せは、外の世界から来るんじゃない。内側から湧き上がる好奇心から始まる。
- どれだけ知っていても、「もっと知りたい」と思う心があれば、毎日が冒険になる。
- 成功や名声よりも、「心から好き」という感覚が、人を本当の意味で生かす。
『Monday with a Mad Genius』は、シンプルな英語で、冒険、歴史、ファンタジー、の要素を持ちつつも、
生き方や心の在り方について、子どもにも大人にも語りかけてくる1冊です。
忙しく過ごす毎日に、「なぜ?」「いつ?」「どこで?」「何を?」
大人になると忘れがちな、そんな小さな問いを大切にしたくなる1冊です。