江戸時代の儒教思想、明治の富国強兵政策、今も続く家制度、様々な理由で、社会が我々にインストールしてきた「親孝行」の価値観。
全てを否定するものでもないが、「介護こそ親孝行」と思う必要もない。
介護保険は既に払っている、堂々と介護保険という公的制度を利用しよう。介護は治療ではなく、撤退戦。「加齢という自然現象」を誰にも止めることはできない。
「元に戻す」治療ではなく、症状を抑えながら穏やかに過ごすことを優先する。長生きしてほしい、という願いを抱えつつ、いずれ死ぬ、という事実から逃げない覚悟を。