「小さいうちに海外で暮らせば、自然と英語が話せるようになる」 「親のどちらかが外国人なら、子どもはバイリンガルに育つ」…そんなふうに思っていたのは、正直、私です。
でも現実は、そんなに単純じゃありませんでした。
私の姪は3歳のときに家族で香港へ引っ越しました。語学習得にぴったりの年齢だし、5年も現地で暮らすなら、英語も広東語もあっという間に、何の苦労もなく自然にペラペラになるんじゃない?と、私は思っていたんです。でも実際は、インターナショナルの幼稚園や学校を毎日泣いて嫌がり、結局、日本人幼稚園と日本人学校に通って育ちました。
だから、英語も広東語も話せません。
同じような話は、他にもあります。
友人夫婦(パパが日本人、ママがタイ人)の家庭では、子どもたちが学校に通い始めた途端、日本語をまったく話さなくなってしまい、今ではパパともタイ語でしか会話できないそうです。
カナダに住むいとこの子どもたちも同様で、両親のどちらかが日本人なのに、日本語はほとんど話せません。
私はずっと、「小さい頃から海外に住めば自然と話せる」 「親が外国人ならバイリンガルに育つ」そんなふうに思い込んでいました。でも実際にいろんな家族のケースを見てきて感じたのは、
バイリンガル習得って、生まれ落ちた環境も大事だけど、“環境があるだけ”では決して足りないということ。本人がその言葉を「自分の人生に必要だ」と思えるかどうか、「話したい」「使いたい」と心から思うかどうか。
結局そこが一番大きいんじゃないかなと思います。
2つ以上の言語を話せる人って、本当にすごい。それは、ただの“自然な結果”じゃなくて、2倍、3倍の努力と時間をかけてようやく手に入れたスキルなんだと、あらためて思いました。
必要に迫られたり、心から「学びたい」と思ったときに学べばいい。うちの姪も、そういうタイミングがいつか来るのなら、そのときで十分。語学って、誰かに期待されて仕方なくやるものじゃないし、強制されて身につくものでもない。
自分の意思で掴んだ言葉こそ、きっと一生の財産になると思います。英語学び直したい、そのときこそ本当のスタート!