「Magic Tree House」は、世界の歴史とファンタジーが絶妙に融合した冒険シリーズです。
英語圏の児童向けの優しい英語でストーリーが進みつつ、大人も考えさせられる哲学的な示唆に富み、約50冊あるので、英語多読におススメです。
この31巻の物語の中心は、魔法の剣“Sword of Light”。これは、湖の貴婦人(Lady of the Lake)が魔法をかけ、「ふさわしい人(worthy mortal)」しか使えないようにした特別な剣です。巨⼤な海の⼤蛇(Sea Serpent)がこの剣を守り続けてきましたが、冬の魔法使い(Ice Wizard)がそれを盗んでしまいます。
印象的だったのは、剣の本当の意味について語られる場面です。
“The sword should not make people afraid. It should help take away their fear. If they’re not afraid, they’ll stop fighting. The purpose of the sword is peace.”
この言葉には、武道にも通じる深い教えが込められていると感じました。
「剣は、人を恐れさせるためのものではなく、恐れを取り除くためのもの。恐れがなくなれば、争いもなくなる。剣の目的は平和のためにある。」
まるでアーサー王伝説に出てくる“岩に刺さった剣”のようなモチーフも登場し、子ども向けの本でありながら、象徴的なメッセージを含んだ一冊でした。他の巻に比べて、虹を歩いて渡るなど、現実離れしたファンタジー要素が強く、語数も1万語を超え読み応えのある一冊です。