おちゃらけ社会派ブロガーと自称してはいるけれど、ブログを育てていくその姿勢は、まったく「おちゃらけ」ていない。
もともとブログを始める前から、紙の日記を20年近く書き続けていたというちきりんさんにとって、「思考を言語化すること自体が楽しいこと」。そんな「好きなこと」を起点に、2005年にブログを公開。その後3年間は固定読者10名程度であるものの、書き続け、やがて「はてなブログ」で注目を集め、人気に火がつく。
匿名を盾にした誹謗中傷はしない。どんな人に読んでもらいたいかを明確に意識する。かけた時間に見合うだけの成果を考える(効率・生産性)。スポンサーや有料化に流されず、オープンな場所で発信し続ける。紹介するのは、自分が心から「いい」と思ったものだけ(アフィリエイトや謝礼目的ではない)。
発信者として何を大切にするのか——その都度迷いながらも、「本質」を自分で考え抜いて戦略的に行動してきた姿勢が、ページの端々から伝わってくる本。