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親の介護が始まったら読みたい、「穏やかな最期」の本 5選

「死」はいずれ訪れるものと分かってはいても、どこか怖かったり、「縁起でもない」と思って話題にすることを避けてきました。

でも、親の介護が始まったとき、初めてこう考えました。

穏やかな最期って、どんな形なんだろう?

そんなときに出会い、とても参考になった本を5冊紹介します。
医療や介護に関わる人だけでなく、自分や家族の死について考えたいすべての人におすすめです。

生前整理「人間らしい最期」って、なんだろう?

1. 『平穏死のすすめ』 石飛幸三 著

チューブや点滴に繋がれて苦しいまま最期を迎えるのではなく、穏やかに死を迎えるための医療やケアのあり方を解説。
特に印象的だったのは、次の一文です。

「人間は意識する動物です。想い、悩み、迷い、喜び、怒り、苦しみ、泣き、笑い、過ごしてきた人生、エネルギーを供給していればいい、という機械ではないのです。」

個人の尊厳を大切にする視点が伝わってきます。死を間近にした人が本当に満足しているのか、納得しているのか、人間の尊厳が保たれているのかが、大切です。

「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか

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2. 『高齢者の望む平穏死を支える医療と看護』 長尾和宏 著

高齢者が望む最期を支えるための医療と看護の知識をまとめた一冊。
医療者、本人、家族が協力して穏やかな最期を迎えるための具体的な考え方が学べます。

特に心に残ったのは、次の文章です。

「平穏死とは、端的にいうと枯れて死ぬことです。その反対は延命死です。人生の最終章は枯れた方が圧倒的に苦痛が少なく、長く生きられます。」

自然な経過である終末期の医療を自己決定するする死

「最期まで治療を続けて闘う」、という選択も、「終末期以降は治療をしない」、という選択も、どちらも尊重されなければならないが、「終末期以降は治療をしない」=死を早める、と誤解されがち。

高齢者の望む平穏死を支える医療と看護: 医療否定でもなく過剰医療でもない、適切な終末期医療がわかる

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3. 『大往生したけりゃ医療とかかわるな──「自然死」のすすめ』 中村仁一 著

医師である著者が、過剰な医療介入によって穏やかな死が失われる現状を指摘。
治療を最小限にして自然に死を迎えることの大切さを、実例とともにやさしく教えてくれます。

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

死ぬのは「がん」に限る。ただし、治療はせずに。 3人に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。 中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、 拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。 現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。 ...


4. 『思い通りの死に方』 中村仁一・久坂部羊 共著

患者自身が望む死を迎えるための心構えや、医療との付き合い方を具体的に示した一冊。
家族としてどう支えるか、選択肢をどう考えるかも学べます。

思い通りの死に方 (幻冬舎新書)

人生の最終局面を、どう生きれば満足できるか? 現役医師2人がホンネで語る、老いが楽しくなる生き方。 何歳まで生きたいですか? 大往生は万人の願望。 マスコミは90歳を超えても元気な「スーパー老人」をもてはやし、 死ぬまで健康であるべきだという圧力は強まる一方だが、 いま現実はどうなっているのか。 現役医師2人が、誰も本当のことを言わない高齢者の 生き方・老い方・逝き方を赤裸々に語り合った。 アンチエイジングを謳い、高齢者を飯の種とする医療界はどこまで信用できるか? そもそも医者の多くがなぜがんになるのか? 大往生は可能なのか? 等々、 遅かれ早かれ誰もが直面する生死の真実。


5. 『医療幻想』 久坂部羊 著

現代医療の限界や過剰診療の問題を鋭く描いた作品。
医療の現場で起こる葛藤や患者との関わりを通じて、命や医療の本質について考えさせられます。

医療幻想: 「思い込み」が患者を殺す (ちくま新書 998)

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「死」について書籍を読み、現状、ピンピンコロリで亡くなるのは、たったの5%の方々のみで、残りの95%の方々は、何か月か、何年か、介護が必要で最期に向かう期間(終末期)がある、と分かりました。

盲目的にならずに、知識を得て、その終末期を親にどう過ごしてもらいたいのか、

考えること(話し合うこと)で、
死を怖がるのではなく、寿命に抗うのでもなく、1秒でも長く生かしてくださいとお医者様にすがるのではなく、
その瞬間を静かに受け入れる心の準備ができるのだと思います。

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