📈 “株価は上がってるけど、景気の実感がない”という違和感
スーパーに行けば値段は高めだし、給料も大きく増えていないけど、日経平均は史上最高値を更新し続け、
ニュースではトヨタのような大企業が“成長”を示す数字を次々と発表しています。
🏢 現代の多くの企業は、「労働」よりも「資本(株主)」を重視する資本主義の仕組み
トヨタの場合:
- 売上高(2024 → 2025年度):約 45兆9,532.5億円 → 48兆36億7,04万円 (global.toyota)
- 配当金:1株あたり 90円
- 自社株買い:最大 1.2兆円規模の枠 (global.toyota)
こうした数字から分かるのは、会社の利益の多くは株主に還元されるということです。
例えば、トヨタ車を作ってくれた従業員ではなく、会社を作るためにお金を出してくれた株主に、より多くの果実が届く仕組みになっているのです。
かつての「会社の成長 = 従業員の昇給」、から、
「会社の成長 = 株主リターン」へ移行してきている、ということ。
💡 “働く人”と“株主”の還元の違い
従業員は車を作り、サービスを提供して会社の売上に貢献しますが、給料やボーナスの増加は契約・経営判断に依存しますし、昇進するには自分の努力も実績も必要です。
一方、株を買うという決断(リスクを伴う)をして長期間保有していることで、株価が上昇して、将来的には働いている人以上の恩恵を受ける可能性もあります。
更に、成人で投資資金さえ持っていれば、性別も国籍も年齢も、学歴も容姿も職歴も関係なく、ネットで証券会社の口座を開き、オンライン銀行口座からお金を振り込んで、ポチっとするスキルさえ有れば、ある意味平等に市場に参加できるのです。
例えばトヨタ自動車の中で、厳しい競争を勝ち抜いて入社し、昇進し続けるのは、条件が揃って、かつ努力し続けないとできなそうです。
もちろん、「従業員還元=年収だけ」というわけではなく、雇用の安定、福利厚生、キャリア機会など多面的ではあります。
会社の成長の利益はどこへ行くのか
工場で車を作る人、販売や整備でお客さんと向き合う人――
そうした“働く人”たちの努力が会社の利益を支えています。
けれど、その利益の果実は、より多くの場合「トヨタ製品を作った人」ではなく、「トヨタに出資した人」へと流れる構造になっています。
会社の成長は、もはや 株主のリターンとして還元される時代。
株を持つ人は、企業の利益の果実を享受できる。
一方、株を持たない人は、給与だけでは(爆速で昇進しない限り)資産はほとんど増えない。
だからこそ、好景気を実感できない――
それが、今の資本主義のリアルな構図なのかもしれない、とニュースを見て思います。