アフリカ・シエラレオネで、家族や友だちと普通の毎日を送っていた少年イシュメール。
しかし国内の内戦に巻き込まれ、家族とも離れ離れになり13歳で少年兵として戦うことを強いられていきます。
物語の序盤から、
・村の破壊、大虐殺
・逃げ惑う人々
・少年たちの恐怖や悪夢
など、残酷な描写が続き、読むのもつらくなるほど。
その一方で、イシュメールが思い出す自然の穏やかな景色や、日常の小さな楽しみが、失われた平和の尊さを強く際立たせ、
「こんな日々が、本当に突然奪われてしまったのだ」と胸が痛くなります。
過酷な現実を真正面から描いている作品なので、読んでいて心が重くなりますが、
どうやってこの残酷な状況を乗り越えて、
16歳でUNICEFに保護され、ニューヨークで新しい生活を始めるまでの道のりが、この後どう描かれていくのか気になって、ページをめくってしまいます。
「Memoirs of a Boy Soldier」という副題の通り、一貫して少年の視点で描かれる物語のため、知らない単語が出てきてもストーリーは追いやすいです。遠くのアフリカの内戦について想像を巡らせ知見を得て、我々の日本の生活を振り返る、英語で読む醍醐味かもしれません。