角田陽一郎さんの『「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく世界史』は、単なる年号や出来事の暗記本ではありません。
この本で語られているのは、「世界史=バラエティ」という、ちょっと意外だけど、とても腑に落ちる視点です。
20世紀:大量生産・大量消費の時代
20世紀は「とにかくモノを作って、広告を打って、売る」ことで経済が回っていました。
どれだけ儲けたかが成功の指標で、大量生産・大量宣伝・大量消費が当たり前。
社会の“中心”は、企業や国家といった大きな存在にありました。
そして今、21世紀:適量の時代へ
でも時代は変わりました。
今は「必要なものを、必要な人に、必要なだけ」届ける時代。
大量に作って大量に捨てるのではなく、
「この人のこれが欲しい」「この想いに共感したい」――
そんなふうに、“モノ”ではなく“価値観”が選ばれるようになってきています。
つまり、私たちは**新しい「個人の経済」**に向かって進んでいるのです。
インターネットが「距離」を消した
そしてインターネットが登場したことで、私たちは物理的な距離を超えて、
世界中の人と知性や感性をシェアできるようになりました。
東京にいながら、シンガポールに住む誰かと同じアニメを見てる。
沖縄にいながら、ニューヨークの人と同じ音楽を楽しめる。
「世界は、思想や感性でつながるコミュニティ」へと姿を変えているのです。
世界史を知るとは、自分を知ること
本書では、「24のキーワード」で世界史の流れをバラエティ的に整理してくれています。
難しい専門用語ではなく、「広告」「宗教」「革命」「国家」など、
日常にあふれる言葉たちを通して、歴史と現代をリンクさせてくれる。
つまりこれは、“自分がいま、どんな時代を生きているか”を理解するための本でもあるんです。
自分のライフスタイルがアートになる時代
角田さんはこうも言います。
自分が何を体験し、何を感じたかを発信することが、これからの時代にとって大事。
今や、自分のライフスタイルそのものがコンテンツになる時代。
日々の暮らしの中で感じたことを、ブログやSNSで発信することが、
誰かにとっての「気づき」や「勇気」になる。
そしてその発信が、人と人をつなげ、思わぬ共感やチャンスを生んでいくのです。
まとめ:世界史は“他人事”ではなく、“わたしの物語”になる
『最速で身につく世界史』は、受験のための歴史ではなく、
「今をどう生きるか」のヒントをくれる一冊。
歴史を学ぶことで、今の世界が見えてくる。
今の世界が見えてくると、自分の価値観や生き方も磨かれていく。