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親友の「ボディーガード」になる勇気。デンマークの史実を描いた名作『Number the Stars』
英語を学ぶことは、単に新しい単語を暗記することではありません。それは、慣れ親しんだ日本語の教科書には載っていない「異国の視点」をインストールし、歴史の裏側に隠された個人の勇気に触れる旅でもあります。
「第二次世界大戦」と聞いて、あなたはデンマークという国の葛藤を想像したことがあるでしょうか?
大国の論理に翻弄されながらも、北欧の小さな国がいかにして人間としての誇りを守り抜いたのか。英語という窓を通して、「私たちが知る戦争」とは別の、けれど地続きにある物語が見えてきます。
今回は、ナチス占領下のデンマークを舞台に、親友を守るために立ち上がった少女たちの軌跡を描く名作、『Number the Stars(邦題:星を数えて)』をご紹介します。
邦題『星を数えて』:勇気と信頼の物語
本作の邦題は『星を数えて』。 暗い時代の空に輝く数えきれない星々のように、人々の心に灯った小さな、けれど消えることのない希望を象徴するタイトルです。
基本データ:作者ローイス・ローリーと作品の重み
- 作者名: ローイス・ローリー(Lois Lowry)
- 総語彙数: 約29,000語(中編程度の長さで、ストーリーのテンポが良く読みやすいです)
- 英語圏での対象年齢: 10歳〜14歳
作者は、心揺さぶる児童文学を数多く世に送り出しているLois Lowry氏。本作は、その優れた内容から米国でのニューベリー賞受賞 おすすめ作品として、世界中の英語学習者に愛読され続けています。
英語レベル:中学英語の基礎から高校英語へのステップアップに
英語レベルは、中学卒業から高校英語レベルの力があれば十分に楽しめます。 主人公アンネマリーと同じ10代の視点で綴られるため、使われている語彙や表現は非常に明快です。それでいて、極限状態での心理描写や対話には深みがあり、「大人が読んでも深く考えさせられる英語」に触れることができます。
物語の年代と舞台:1943年、ナチス占領下のデンマーク
物語の舞台は1943年、第二次世界大戦中のデンマーク、コペンハーゲンです。 北欧の小さな国が、巨大な軍事力を誇るナチスの占領下で、どのように自分たちの誇りと国民を守ろうとしたのか。その独自の歴史的背景が、少女の日常を通して鮮やかに描き出されます。
ジャンル:史実に基づいた「ナチス 抵抗 児童書」
ジャンルは、歴史的真実に基づいたフィクションです。 戦争という重いテーマを扱いながらも、残酷な描写を前面に出すのではなく、人々がいかにして「良心」を貫き通したかに焦点を当てたナチス 抵抗 児童書の傑作です。
『星を数えて』あらすじ:ユダヤ人の親友を守るための「逃亡」
10歳の少女アンネマリーには、エレンという大切な親友がいます。しかし、エレンはユダヤ人でした。ナチスによる迫害の手が忍び寄る中、アンネマリーの一家はエレンを「亡くなった自らの姉」と偽り、匿うことを決意します。
物語の核心は、単なる逃亡劇ではありません。 「デンマーク国民はみんな王様のボディーガードだ」という言葉を胸に、アンネマリーは自らに問いかけます。「自分もまた、ユダヤ人の友人のためにボディーガードになれるだろうか」と。 実際に、デンマーク国民が約7,000人ものユダヤ人をスウェーデンへ逃がしたという驚くべき史実が、この物語に強い説得力を与えています。
この本はどんな人におすすめか?
- 「友情」と「勇気」の真の意味を問い直したい方: 少女たちの揺るぎない絆に、胸が熱くなります。
- 北欧の視点から第二次世界大戦を知りたい方: 大国に挟まれた小国の苦悩と決断を学べます。
- 英語多読で「読了感」を味わいたい方: 緊迫感のある展開で、の続きが気になり、一気に読み進められます。
- ユダヤ人 救出 本を探している方: 暴力ではなく、人間の良心(human decency)で立ち向かう姿に勇気をもらえます。
“Now I think that all of Denmark must be bodyguard for the Jews as well.” (デンマーク中の人が、ユダヤ人のボディーガードになるべきだって、思う。)
環境や時代を選べなくても、自分の「良心」に従うことは選べる。 英語でこの物語を読み進める時間は、語学の習得以上に、あなたの人生に確かな指針を与えてくれるはずです。