「死」はいずれ訪れるものと分かってはいても、どこか怖かったり、「縁起でもない」と話題を避けてしまうのは自然なことです。しかし、親の介護が始まったとき、私たちは初めて直視することになります。
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「穏やかな最期(平穏死)って、本当はどんな形なんだろう?」
実は、理想とされる「ピンピンコロリ(急死)」で最期を迎えられる人は、わずか**5%に過ぎないと言われています。残りの95%**の人は、数ヶ月から数年にわたり、誰かの介助を必要とする「終末期」を経て最期に向かいます。
この現実を盲目的に怖がるのではなく、正しい知識を得ることで、「延命治療で1秒でも長く生かすこと」だけが正解ではないという視点が見えてきます。
医療にすがるのではなく、親がどう過ごしたいのかを話し合い、静かにその時を受け入れる心の準備をする。そんな手助けをしてくれる5冊の書籍をご紹介します。
1. 『平穏死のすすめ』 石飛幸三 著
チューブや点滴に繋がれて苦しいまま最期を迎えるのではなく、穏やかに死を迎えるための医療やケアのあり方を解説。
特に印象的だったのは、次の一文です。
「人間は意識する動物です。想い、悩み、迷い、喜び、怒り、苦しみ、泣き、笑い、過ごしてきた人生、エネルギーを供給していればいい、という機械ではないのです。」
個人の尊厳を大切にする視点が伝わってきます。死を間近にした人が本当に満足しているのか、納得しているのか、人間の尊厳が保たれているのかが、大切です。
2. 『高齢者の望む平穏死を支える医療と看護』 長尾和宏 著
高齢者が望む最期を支えるための医療と看護の知識をまとめた一冊。
医療者、本人、家族が協力して穏やかな最期を迎えるための具体的な考え方が学べます。
特に心に残ったのは、次の文章です。
「平穏死とは、端的にいうと枯れて死ぬことです。その反対は延命死です。人生の最終章は枯れた方が圧倒的に苦痛が少なく、長く生きられます。」
「自然な経過である終末期の医療を自己決定するする死」
「最期まで治療を続けて闘う」、という選択も、「終末期以降は治療をしない」、という選択も、どちらも尊重されなければならないが、「終末期以降は治療をしない」=死を早める、と誤解されがち。
3. 『大往生したけりゃ医療とかかわるな──「自然死」のすすめ』 中村仁一 著
医師である著者が、過剰な医療介入によって穏やかな死が失われる現状を指摘。
治療を最小限にして自然に死を迎えることの大切さを、実例とともにやさしく教えてくれます。
4. 『思い通りの死に方』 中村仁一・久坂部羊 共著
患者自身が望む死を迎えるための心構えや、医療との付き合い方を具体的に示した一冊。
家族としてどう支えるか、選択肢をどう考えるかも学べます。
5. 『医療幻想』 久坂部羊 著
現代医療の限界や過剰診療の問題を鋭く描いた作品。
医療の現場で起こる葛藤や患者との関わりを通じて、命や医療の本質について考えさせられます。
盲目的にならずに、知識を得て、その終末期を親にどう過ごしてもらいたいのか、
考えること(話し合うこと)で、
死を怖がるのではなく、寿命に抗うのでもなく、1秒でも長く生かしてくださいとお医者様にすがるのではなく、
その瞬間を静かに受け入れる心の準備ができるのだと思います。