『ハチワンダイバー』将棋の盤上に人生ごと潜っていく“熱量爆発”漫画

今回紹介するのは『ハチワンダイバー』です。
この作品をひとことで言うなら、「将棋という静かな勝負を、まるで格闘技のような熱量で描き切った異色の将棋漫画」です。

将棋漫画と聞くと、落ち着いた頭脳戦や棋士の成長物語を想像する人も多いかもしれません。
もちろん『ハチワンダイバー』にも読み合い、駆け引き、才能、努力といった将棋漫画らしい面白さはあります。

ただ、この作品のすごいところは、そこに圧倒的なテンションと狂気にも近い熱量をぶち込んでいるところです。
盤上で駒を動かしているだけなのに、読んでいる感覚としては、殴り合いのバトル漫画を読んでいるような興奮があります。

今回は、そんな『ハチワンダイバー』の魅力を、自分なりの視点で書いてみたいと思います。

目次

この作品はどんな漫画か

『ハチワンダイバー』は、プロ棋士を目指しながらも挫折した青年・菅田健太郎を主人公にした将棋漫画です。

菅田は賭け将棋の世界で生きている、いわば裏の将棋指し。
そんな彼が、圧倒的な実力を持つ女流棋士・中静そよと出会うことで、再び将棋の深みに引きずり込まれていきます。

タイトルの「ハチワン」は将棋盤の81マスを意味しています。
そして「ダイバー」は、その81マスの盤上へ深く潜っていく者という意味合いを感じさせます。

このタイトルが本当にうまいんですよね。
将棋は一見、盤の上で静かに進むゲームです。
でも本作では、その81マスの中に、人生、執念、才能、欲望、挫折、再起、勝負師としての誇りが全部詰まっている。
だから読んでいるうちに、こちらまで盤上の奥深くへ潜っていくような感覚になります。

ここが面白い

この作品の面白さは、将棋の勝負をとにかく熱く見せる演出力にあります。

将棋は本来、頭の中で何手も先を読む静かな競技です。
しかし『ハチワンダイバー』では、その読み合いがまるで必殺技の応酬のように描かれます。

一手の重み。
相手の狙いに気づいた瞬間の恐怖。
自分の読みが外れた時の絶望。
そして、勝ち筋を見つけた時の高揚感。

そうした感情が、かなり大げさなくらいの表現で描かれるからこそ、将棋に詳しくない人でも「これはヤバい勝負をしている」と直感的に伝わってきます。

さらに面白いのは、登場人物たちがみんな濃いところです。
菅田もそよも、ただ将棋が強いだけではありません。
将棋に人生をかけている。
というより、将棋でしか自分を証明できない人たちが集まってくる。

だから単なる対局ではなく、毎回「この人は何を背負ってこの一局に向かっているのか」が見えてくる。
そこに人間ドラマとしての強さがあります。

この作品が刺さる人

この作品は、こんな人におすすめです。

将棋に少しでも興味がある人
勝負師の世界を描いた漫画が好きな人
熱量の高いバトル漫画が好きな人
挫折から這い上がる主人公に惹かれる人
クセの強いキャラクターが大量に出てくる作品が好きな人
頭脳戦と勢いの両方を楽しみたい人

逆に、リアルな将棋界を淡々と描く作品を求める人には、少しテンションが高すぎると感じるかもしれません。
ただ、その過剰さこそが『ハチワンダイバー』の魅力です。

静かな将棋を、ここまで熱く、暑苦しく、勢いで読ませる漫画はなかなかありません。

私が特に好きなポイント

個人的に『ハチワンダイバー』で特に好きなのは、主人公・菅田健太郎の「負けた側の人間」としてのリアリティです。

プロを目指したけれど届かなかった。
才能がないわけではない。
でも、本物の世界にはあと一歩及ばなかった。

この感覚は、将棋に限らず、仕事でもスポーツでも芸術でも、いろいろな世界に通じるものがあります。

営業の世界で言えば、トップセールスになりたかったけれど、思うように結果が出ない時期がある。
同期やライバルに先を越される。
自分のやり方が通用しなくなる。
でも、それでも勝負の現場から降りられない。

菅田の姿には、そういう「一度折れた人間が、もう一度勝負に向かうかっこよさ」があります。

また、中静そよというキャラクターも強烈です。
可愛らしさと圧倒的な強さが同居していて、ただのヒロインではありません。
菅田を救う存在であり、同時に菅田をさらに深い勝負の世界へ突き落とす存在でもある。
この関係性が非常に面白いです。

※ここから少しネタバレを含みます。
シリーズが進むにつれて、将棋の勝負はどんどんスケールアップしていきます。
単なる賭け将棋の物語から、さまざまな強敵、異様な才能、濃すぎる勝負師たちが登場し、作品全体がどんどん加速していきます。

普通なら「やりすぎでは?」と思う展開もあるのですが、『ハチワンダイバー』の場合は、そのやりすぎ感がむしろクセになります。
静かな将棋漫画ではなく、将棋を題材にした熱血バトル漫画として読むと、かなりしっくりきます。

まとめ:なぜ今すすめたいのか

『ハチワンダイバー』は、将棋を知らない人にもすすめたい漫画です。

もちろん将棋が分かる人なら、対局の読み合いや局面の面白さをより深く楽しめると思います。
でも、この作品の本質は、将棋の知識だけではありません。

勝つことに取り憑かれた人間。
負けた場所からもう一度立ち上がる人間。
自分の居場所を盤上にしか見つけられない人間。
そういう人たちの熱量が、この作品には詰まっています。

一手に人生をかける。
たった81マスの中で、心も体も人生も全部ぶつける。
その極端さが、ものすごく漫画的で、ものすごく面白い。

将棋漫画でありながら、勝負漫画であり、成長漫画であり、どこか人生再起の物語でもある。
だからこそ、今読んでも十分に熱くなれる作品です。

気になった方は、ぜひ一度手に取ってみてください。今回は『ハチワンダイバー』を紹介しました。
これからも「明日、誰かにすすめたくなる漫画」を、1日1作品ずつ気ままに書いていこうと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA